この記事を見てくれている多くの方は、きっと上司からの心ない言葉や行動で深く傷ついてしまっているのでしょう。
もしかしたら、医師からうつ病や適応障害の診断を受けた方や、すでに休職中の方も多いんじゃないでしょうか。
そんなみなさんから、多くいただく相談がこちらです。
「上司のパワハラが原因でうつ病になったけど、どうやって休職するの?」
「休職したら収入が心配だし、休職の後のことも不安。復職や退職はできるの?」
本来このような相談は、上司や人事部にすればいい話なんですが……。
あなたのその悩みの元凶が上司や会社にあるとしたら、いったい誰に相談すればいいのか、何をどうすればいいのかわからず、困ってしまいますよね。
わたしはまさにそんな状態でした。
そのときはわたしは、色んな人から話を聞いたり、色んな本を調べたりして、会社をしばらく休みたいときの後から困らない休み方や、休職中にもらえる給付金、パワハラからの逃れ方を知ったんです。
そのおかげで、わたしは無事にパワハラから解放されたんですが、きっとこのことを知らなくて困っている人はすごく多いんじゃないかなって、そのとき思ったんです。
こんな経験から、今回この記事の編集を担当させていただくことになりました。
記事の目的はこちら。
- 心を痛めてしまったあなたが会社をうまく休むため
- 休職中のあなたの復職や退職に関する不安を解消するため
あなたが仕事を休みはじめるところから、また元気にイキイキと働きはじめるまでに役立つ知恵をすべて網羅しています。
7分ほどかかりますが、だまされたと思って最後まで読んでいただけませんか?
きっとあなたの力になれるはずです。
パワハラで休職するには?
すぐに仕事を休んだ方がいいとはわかっていても、なかなか休めないものですよね。
「自分が休んだら同僚やお客さんに迷惑がかかるんじゃないか?」
「休んだらさらに居場所がなくなるんじゃないか?」
こんな不安もあるんじゃないでしょうか。
わたしの経験上、パワハラで苦しむ方の多くは、◯月◯日から仕事を休むべきという判断基準をしっかり設けておかないと、なかなか仕事を休む決心ができません。
そして、休む決心ができたら、それを申請する手順を知らなきゃいけないんです。
- 休職すべきかの判断基準
- 休職の申請先と手順
まずはそのふたつをお話ししていきますね。
休職すべきか判断する
まず大前提として、もしあなたがすでに医師の診断を受けていて、仕事を休んだ方がいいと言われているなら、間違いなくすぐに仕事を休むべき。
仮にあなたががんばれば仕事に行ける状態だったとしてもです。
ストレスって花粉症とよく似ているんです。
グラスに水が注がれて、それがいっぱいになるとあふれてくる。一度グラスがいっぱいになると、ちょっと水を注ぐとまたすぐあふれるようになってしまう。
心の病ってそんなもので、一度かかってしまうと再発しやすいとも言われています。
ギリギリのところでがんばろうとするあなたはきっと水があふれるかどうかの瀬戸際なんでしょう。そのままがんばり続けると、明日にでも心が壊れてしまうかもしれません。
ドクターストップがかかったら、ボクサーでも試合を中断します。誰にも責められやしないんで、明日から休みましょう。
その大前提をふまえた上で、医師にこう言われるケースもあるんじゃないでしょうか。
「仕事は行っても構いませんが、キツいときは無理せず休んでください。」
このような場合は、会社を休むかどうかを自己判断しなきゃいけない。なかなか判断できるはずもありません。
そこで、わたしなりの明日からでも休んだほうがいいと思う基準をお伝えします。
すぐに仕事を休むべき基準
直近10日間で睡眠・食欲・好きなことのどれかに支障が出ている
心と体はつながっているので、心の傷が体に変調をもたらすこともあります。そしてそれは強めの心の危険信号なんです。
すぐにでも仕事を休んで、心と体を休めてください。
ただ、この基準にあてはまらない場合でも、基本的に休めるなら休んだほうがいいんです。
それでも休職すべきかどうか判断に迷う方は、休職のメリットとデメリットを並べて検討してみてはいかがでしょうか。
休職のメリットやデメリットについて、簡単にまとめました。
判断に迷っている方は、こちらを参考に判断してみてください。
休職する決心がついたら、休職の申請先を手順を確認しましょう。
まだ決心がついていない方も、知っておくと何かヒントになるかも知れません。
休職の申請先と手順
step
1医師の診断を受け診断書をもらう
step
2会社の就業規則で休職規定を確認
step
3休職を申請する
休職する手順は、こまかいところは職場によって異なりますが、原則的にはこのような流れになります。
医師の診断を受け診断書をもらう
精神科や心療内科のある病院で診断を受けます。
病院を予約する時は、正直に電話などで「仕事で上司から嫌がらせを受けている+症状+いちど見てほしいので予約したい。」と伝えるのが良いでしょう。
注意ポイント
ここで明確に心の病(うつ病・適応障害・心因反応・睡眠障害など)と診断された場合は、療養日数と証明印が入った診断書をもらっておきます。後から労災申請をする際に使うためです。
症状が比較的軽い場合は、診断書がもらえないこともありますが、基本的には診断書がなくても休職は可能です。
ただし、労災認定を受けるには診断書が必要なので、診断書がもらえないケースでは労災申請ができませんのでご注意ください。
※傷病手当金は受け取ることができます。
会社の就業規則で休職規定を確認
会社は、就業規則を社員の手に取れるところに保管しておく決まりがあるので、目に見えるところに置いてあるか、WEB上に保管されていることが多いです。
場所がわからない場合は、人事部に確認しましょう。
就業規則には、休職に関する規定が記されているので、休職の期間や申請方法を確認します。申請書類が同じ場所に保管されていることもあります。
就業規則の休職に関する規定には、こんなことが書かれています。
(休職)
第9条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
① 業務外の傷病による欠勤が か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき
年以内
② 前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき
必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。
3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。
休職を申請する
就業規則に書いてある手順に沿って休職を申請します。
原則的には申請先は上司となっているはずです。
しかし、上司のパワハラが原因の場合は例外でしょう、上司の上司に当たる人物や人事部に申請しても問題ありません。
注意ポイント
仮にここで申請が認められない場合は、いちど冷静に会社のことを考えて欲しいです。
退職という選択肢も考えてみませんか?
これで休職の申請は完了です。ここまでのポイントをまとめます。
ここまでのポイント
- 医師に休むよう言われたら必ず休職する
- 直近10日間に睡眠・食欲・好きなことに支障が出ている場合も休職する
- あてはまらない場合はメリット・デメリットを考慮して判断する
- 休職するには以下の手順で進める
- 医師の診断を受け診断書をもらう
- 会社の就業規則で休職規定を確認
- 休職を申請する
パワハラが原因の休職中に受け取れるお金
休職するとなった場合、心配になるのは収入ですよね。
パワハラが原因で休職することになった場合、あなたが受け取れる可能性があるお金は3つのどれかです。
- 会社の給与
- 傷病手当金
- 労災保険
それぞれ詳しく見ていきましょう。
休職中も給与を受け取れる場合がある
休職中にも会社から給与を受け取れることがあります。
それは、休職が有給休暇あつかいになる場合と、給与の補償が休職規定にある場合です。
有給休暇あつかいになる場合
あなたが会社で働き始めてから6か月以上経過していれば、必ず有給休暇が付与されているはずです。
付与日数も法律で決まっています。
勤続年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5~ |
付与日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
有給休暇が残っている場合は、有給休暇を利用して仕事を休むことができます。
有給休暇を使って休んだ日の分の給与は、当然受け取ることができますし、就業規則上は休職にも該当しません。
自分の有給休暇残日数がわからない場合は、人事部などに確認しましょう。
有給休暇がない・使えない場合
有給休暇は、勤続年数に応じて与えられることが労働基準法で義務づけられています。
業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者などの区分なく、 一定の要件を満たした全ての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければな りません(労働基準法第39条)。
会社は有給休暇の取得日を社員と交渉することはできても、取得自体を拒否することはできません。
取得できなかったときに泣き寝入りしなくてもいいよう、有給休暇を申請する際はスマホのボイスレコーダーで会話の内容を記録しておくと良いですね。
拒否されたら、労働基準監督署に匿名・証拠つきで通報することができます。
給与の補償が休職規定にある場合
会社の就業規則には休職に関する規定がありますが、まれに休職中にも給与を出してくれる会社があります。
就業規則を確認し、休職を申請する時に確認しましょう。
傷病手当金とは?給付額と申請方法
傷病手当金とは、業務外のけがや病気によって休職したときに給付される補償金です。
参考:全国健康保険協会 協会けんぽ
健康保険や国民健康保険の被保険者であれば、仕事ができなくなってから3日目以降が給付対象になります。
「業務中のパワハラなのに、業務外のけがや病気あつかいになるの?」
と疑問に思うかもしれませんね。
これは難しいところなんですが、うつ病などの原因が、業務中のパワハラだと認められた場合は、傷病手当金ではなく労災認定がおりるんです。
逆に言うと、もし労災認定がおりなかったら、うつ病は業務外の病気として見なされたということなので、傷病手当金の給付対象になるということなんです。
傷病手当金の給付額
給付額は、以下の計算式によって求められます。
【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3)
つまり、だいたい給料の6割くらいの給付が受けられるというわけです。
期間は最大で1年6か月なので、例えば月給30万円の方の場合は、30万円×(2/3)かける18か月=360万円の給付が受けられるということになります。
傷病手当金を申請するには
傷病手当金は、給付の条件を満たす方が、全国健康保険協会の都道府県支部に申請することで受け取ることができます。
都道府県支部はこちらから調べることができます。
申請書類は4枚1組で、1〜2枚目は自身が記入し、3枚目は職場が記入、4枚目は医師が記入します。
申請書のPDFや添付書類についてはこちらでダウンロードすることもできます。
給付の条件は以下の3つです。
- 業務外のけが・病気である
- 療養のため労務不能である
- 給与が支払われていない
傷病手当金の注意点
申請書類の3枚目(会社が記入)と4枚目(医師が記入)がハードルになることがあります。
過去にあった例では、会社に申請書の3枚目の記入を拒否されてしまったことがあります。
もちろん、そんなことは許されません。
傷病手当金は、そもそも申請者も支給者も会社ではないので、書類の記入を拒否したらただの妨害行為です。
とはいえ、書いてもらわないことには手続きが進まないので、内容証明郵便などで軽くプレッシャーを与えつつ会社にお願いするか、解決しない場合は全国健康保険協会の申請窓口に相談しましょう。
注意ポイント
4枚目の医師の記入用紙に、例えば医師が療養の必要はないと記入したら、傷病手当金の給付が受けられません。
労災保険とは?給付額と申請方法
労災保険とは、正式には労働者災害補償保険といい、認定されると治療費や休業補償などが支給されます。
参考:厚生労働省 労災保険とは
労災認定がおりると、傷病手当金より多くの補償が得られます。
労災保険の給付額
休業補償給付:給付基礎日額(労災の発生した日以前3か月に支払われた賃金の総額をその期間の総日数で割った平均賃金に相当する額)の60%
休業特別支援金:1日につき給付基礎日額の20%に相当する額
つまり、だいたい給料の80%くらいの給付が受け取れるといういことになります。
労災の休業補償は、療養期間が続く限り、受け取りの期間に制限はありません。
労災保険を申請するには
まず、以下の労災認定基準を満たしている必要があります。
労災の認定基準(パワハラの場合)
- 精神障害を発症している
- 発症前6ヶ月間に業務による強い心理的負荷が認められる
- 職場以外の心理的負荷によって発病したものでない
強い心理的負荷があるかどうかは、評価表をもとに判断されます。
パワハラが原因で精神障害を発症したとしても、会社はそれを業務災害とは認識しません。
つまり、会社を頼ることはできず、基本的にはあなた自身かあなたの家族が申請するしかありません。
労働基準監督署に行くと労働者労働災害保険請求書(5号、7号、8号用紙)がもらえるので、それぞれを記入し、提出することで、申請は完了です。
申請書は、こちらでダウンロードすることもできます。
労災保険の注意点
労災保険は補償額が大きく、保証期間も長いんですが、認定までに半年くらいかかってしまいます。
しかも、パワハラが原因の労災申請は、申請された数に対して3分の1くらいしか認定されていないようです。
これは、うつ病の原因が会社の業務であると証明するのが難しいからだそうで、労災認定までの道のりはひたすら長いと言えます……。
傷病手当金と労災保険どっち?
まずは傷病手当金を申請しましょう。傷病手当金と労災認定は、それぞれ別の法律によって規定されているので、同時に申請することができるんです。
ただし、重複して給付を受けることはできません。
もし傷病手当金の給付を受けていながら、労災認定がおりた場合は、傷病給付金を返納する必要があります。
社会保険はどうなるの?
休職中も、社会保険の会社負担・本人負担額は変わりません。
会社から給与が出る場合は給与から控除されます。
会社から給与が出ない場合は、会社によって徴収方法が違うので、休職を申し出た際に会社から言われるでしょう。
だいぶややこしい話が続きましたね。ここまでのポイントををまとめておきます。
ここまでのポイント
- 休職中に受け取れるお金は給与・傷病手当金・労災保険の3種類
- 傷病手当金は給料の約6割を1年6ヶ月まで給付される
- 労災保険は給料の約8割を制限なく給付される
- 重複して給付を受けることはできない
パワハラで休職になったら慰謝料や損害賠償は請求できる?
パワハラに限ったことじゃないのですが、会社や上司の行いが民法上の不法行為に該当するのであれば、損害賠償を請求することができます。
不法行為の根拠になる民法や、それが認められたときに請求できる損害賠償の相場について見ていきましょう。
パワハラの基準と会社の責任
パワハラは厚生労働省によって以下のように定義されています。
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
自身がパワハラを受けているかの判断はこちらを参考に。
この記事をご覧のみなさんに限っては、上司からの言動で心を傷つけてしまった人でしょうから、ほぼすべての皆さんが該当するかと思います。
会社は、あなたが健康で安全に働けるようにする責任があり、民法によってそれが定められています。
例えば、以下のような場合は、民法に定められた会社としての責任を果たしていないので、不法行為に当たります。
パターン1
上司からパワハラを受けてうつ病になり、仕事ができなくなってしまった。
民法715条 使用者等の責任 の不履行につ不法行為なので、損害賠償が請求できる。
パターン2
会社がパワハラの事実を知っていながら、対策をせず放置していた。
民法415条 債務不履行 会社の安全配慮義務を怠ったことによる債務不履行で不法行為に該当。損害賠償が請求できる。
ただし、あなたの心の病が会社の責任であると認めらるのはそう簡単ではありません。
会社に責任があると認められるには、以下の4つを満たす必要があります。
業務起因性
うつ病の原因が会社の業務に起因するものかどうか
帰責性
うつ病発生について、会社に故意・過失があるかどうか
損害の発生
うつ病により治療費などの損害が発生するかどうか
帰責性と損害との因果関係
会社の故意・過失と損害の発生に因果関係があるかどうか
特に業務起因性は証明が非常にむずかしくて、証拠が多く残されていないと認められづらいんです……。
パワハラの慰謝料や弁護士費用の相場
パワハラが原因でうつ病などになってしまった場合、認められる慰謝料(損害賠償)の相場は50万円〜200万円で、決して高くはありません。
また、パワハラを受けていた期間が長く、損害が大きいほど、損害賠償額は大きくなる傾向があります。
裁判を起こして勝訴し、損害賠償が認められた場合は、損害賠償を得ることができますが、敗訴した場合は損害賠償を得ることはできず、裁判費用を負担しなければいけません。
裁判費用は5,000円〜20,000円程度です。
さらに、基本的には裁判の勝ち負けに関係なく弁護士費用が発生します。弁護士費用の相場は、着手金と報酬金を合わせて50万円〜100万円になります。
さんざん上司からの嫌がらせで傷つけられたにも関わらず、損害賠償を請求しても証拠が多くないと勝てない上に、勝訴しても弁護士費用を差し引いたら手元に残るのは数十万円になるわけです。
大金には代わりありませんが、とてもあなたが負った心の傷に見合う対価ではありません。
しかし、これが現状なんです……。
裁判例を見てみたい方はこちらをご覧ください。
ここまでのポイント
- 会社の不法行為が認められたら損害賠償を請求できる
- 損害賠償の相場は50万円〜200万円
- 弁護士費用の相場は50万円〜100万円
退職という選択肢も考えてみませんか?
休職の他に持っておいてほしい選択肢が退職です。
もしかして、本当はパワハラから逃れるために会社を辞めたいけど、何か会社を辞められない理由があるんじゃないでしょうか。
今まで、仕事を休職したいとご相談いただいた方が、退職を選ばないには様々な理由がありました。
「同僚やお客さんがいい人で迷惑をかけたくない」
「今よりいい会社に転職できるか不安」
「辞めると言ったらパワハラがエスカレートするかも」
あなたが今の会社に入ったのも、並々ならぬ努力があったでしょうし、そこで築き上げた功績や人間関係だってとても大事なものでしょうね。
ですが、いま一度、あなたが本当にその会社で働き続けるべきかどうか、考えてみるのもいいんじゃないでしょうか。
パワハラをしてしまう理由の多くは嫉妬心と言われています。
あなたがパワハラを受けている原因は、もしかしたらあなたが上司から嫉妬されるくらい優秀で、でもそれにしてはちょっとだけゴマすりが苦手なだけなのかも知れません。
パワハラは、加害者本人も気づいていないことがよくあるそうです。
でも、あなたは心が病んでしまうくらい傷ついていて、それでも気づかない上司って、本当にあなたにふさわしい上司ですか?
ここまで、休職の申請のしかたや、会社に対応してもらう必要があることもお話ししてきましたね。
このようなことすら対応してくれない会社なんて、ハッキリ言って最悪です。
あなたが活躍できる場所はきっと他にあります。
退職に対する不安もあるかと思いますが、あなたの不安が少し和らぐかもしれない知恵をお伝えします。
傷病手当金は退職後も有効
休職中に受け取れるお金として傷病手当金をご紹介しましたが、実は傷病手当金は退職しても受け取ることができます。
申請方法も同じなので、あなたが退職しても収入が途切れる心配はありません。
失業保険の給付を受けることができる
傷病手当金の給付が受けられなくても、退職したら失業保険が適用され、早ければ退職後7日から失業手当を受け取ることができます。
失業保険は、地域の管轄のハローワークで申請することができます。
申請方法などについて、詳しくはこちらをご覧ください。
失業保険を受け取るには注意しなければならない点があります。
それは、退職理由を自己都合ではなく会社都合とすることです。
退職理由は、ハローワークに提出する離職票に記載されるんですが、退職理由が自己都合か会社都合かでずいぶん違うんです。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
失業給付金 \ 最短支給開始日 | 3か月7日後 | 7日後 |
失業給付金 \ 支給日数 | 90日〜150日 | 90日〜330日 |
失業給付金 \ 最大支給額 | 約118万円 | 約260万円 |
失業給付金 \ 給付制限 | あり | なし |
国民健康保険税 | 通常納付 | 最長2年間軽減 |
履歴書の記載内容 | 一身上の都合により退職 | 会社都合により退職 |
ただし、会社はできれば退職理由を自己都合にしたい理由があるんです。
なぜかというと、退職理由が会社都合の場合、会社が厚生労働省から助成金を受け取ることができないからなんです。
人をうつ病にまでしておいて、腹が立ちますよね。
そんなわけで、退職のときに、半強制的に自己都合にされてしまうことがしばしばあります。
そのような場合は、離職票を管轄のハローワークに持っていって異議申し立てをすれば、会社都合に変えてもらうことができます。
もちろん、必ず認められるわけではないんですが、覚えておくといいでしょう。
会社とのやり取りは退職代行に丸投げできる
退職代行を利用すれば、会社とのわずらわしいやり取りを一切せずに、明日にでも会社を辞めることができます。
会社を辞めると伝えたら当然、強い引き止めにあってなかなか辞めさせてもらえないでしょうし、完全に退職できる日までまた何を言われるかわかったもんじゃないという不安もあるでしょう。
しかし法律上は、辞めると言って明日から会社にいかなくても、何ひとつ問題ありません。それは例えあなたが休職中でも一緒です。
退職代行と聞くと、どんな業者かわからず不安に思うかと思いますので、はたホン!編集部で推奨している退職代行業者をご紹介します。
男の退職代行
わたしNEXT
男性の場合は男の退職代行、女性の場合はわたしNEXTですね。どちらも同じ会社が運営しています。
労働組合が代行業務を行うので、法的に超健全な退職代行ですし、代行費用も3万円以下とわたしが知る限りでは一番低価格です。
転職サービスとも提携していて、提携の転職サービスを利用して転職した場合は、お祝い金5万円を受け取ることもできるので、むしろ元を取れてしまいます。
退職しようかどうか迷っている段階からLINEでも相談できるようになっているので、人生相談のつもりで一度相談してみるのもいいかもしれません。
ここまでのポイント
- 目先の収入にとらわれず退職する決断も重要
- 退職後に受け取れるお金は傷病手当金と失業保険
- 退職代行を利用すると楽に退職できる
さいごに
ここまで読んでくれてありがとうございます。
さいごにわたしのことを少しお話させてください。
わたしは6年間、上司からパワハラを受け続け、医師からうつ病と診断されました。
でも、お世話になってるお客さんや同僚に迷惑をかけてしまうんじゃないかと思うと仕事も休めなくて、毎日心も身体もズタボロでした。
そんなとき、親が「そんなにボロボロになるなら、頼むから辞めてくれ!」って強く言ってくれて、それで仕事を辞めることができたんです。
今思うと、きっと誰かにそんな風に言ってほしかったんじゃないかなって思うんです。両親には感謝しても足りないくらいです。
その経験から、職場の人間関係で苦しんでいる人がいたら、同じように力になりたい!
そう思ってはたホン!編集部に入りました。
パワハラで心が傷ついてしまって、そんな日が続いてしまったら、きっと死んでしまいたいと思ってしまはずなんです。
そうなる前に、会社は休んでも大丈夫だし、辞めても大丈夫、収入だってちゃんとなんとかなるってことがあなた少しでもに伝わったなら、幸いです。
- 医師が休めと言ったら絶対休む。そうでなくても極力休む。
- 休職の規定や申請方法は就業規則を確認。上司に直接言わなくても大丈夫。
- 休職に入ったらまず傷病手当金の申請と労災認定を申請する。
- 不法行為があれば損害賠償が請求できるが、時間・費用・労力はかかる。
- 人生の長いスパンで考え退職も要検討。連絡などは退職代行に丸投げ可能。
以上、はたホン!編集部のささきでした。
ささき りょう