「残業が多すぎる…上司からはパワハラやモラハラ…もうツライ…。」
「ここまで頑張ってきたけど、もう明日から会社に行きたくない…今日限りで退職したい…!」
「会社を即日で退職することってできないの?」

2年前までブラック企業に勤め、月残業が毎月150時間超、軽めの洗脳も受けていた、はたホン!編集部のナカノです。
今回は 『会社を即日退職することはできるのか?』という話をしていきます。
結論から言いますと、できます。
厳密には即日退職ではないのですが、「明日から行かない」は実現可能です。
もちろん違法性はなく、働いた分の給料はきっちりもらえるので安心してください。
記事本文で詳しい方法を紹介していきます。
とはいえ、即日退職というと「社会人としてどうなんだろう…?」と思われる方もいるかもしれません。たしかに心配だとは思うのですが、心を病んだり身体を壊してしまうくらいなら、今日限りで退職してしまったほうが絶対にイイです。特に、
- パワハラ、セクハラなどのハラスメント行為を受けている
- 長時間残業やサービス残業を強いられている
- 会社の人間関係に問題がある
ような方はすぐにでも辞めるべきです。あなたと、あなたの未来を一番大事に考えましょう。
即日退職には押さえておくべきポイントがいくつかあります。
知らないままただ退職手続を進めるとトラブルになったり、最悪の場合は懲戒解雇となり、今後の転職がものすごく不利になってしまう可能性があります。
誰でも簡単にできるよう、手順やポイントを詳しく紹介していくので、一緒に確認していきましょう。
読み終える頃には、即日退職までの道筋が見え、あなたが何をしなければいけないかがわかっているはずです。少しだけかもしれませんが、会社や仕事に関する不安も少なくなっていると思いますよ。
いっしょに平穏な生活を取り戻しましょう。
Contents
「明日から行かない」は可能!会社は実質『即日退職』できます
冒頭でもお伝えした通り、会社を実質『即日退職』し、「明日から行かない」ことは可能です。
ここではなぜそれが可能なのかを解説し、違法性はないのか、お給料はもらえるのかといった疑問や不安も解消していきます。
即日退職の方程式は『退職届 + 2週間の有給取得 or 欠勤扱い』
実質即日退職する方法、それは『退職届を提出し、2週間分の有給を取得、または欠勤扱いにしてもらい、会社に行かない』という方法です。
「そんなことして大丈夫なの?」と不安に思われる方も多いと思いますので、法律もまじえながら詳しく説明していきます。
民法上、2週間前までに退職を伝えれば退職できる
民法では『雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。』と規定されています。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元:民法 | e-Gov
つまり法律上は、退職日の2週間前までにその意思を伝えれば、退職できることになります。
よく社則などで「退職の意思は2ヶ月前までに伝えるものとする」と決められていたりしますが、これはあくまで社内のルールにすぎません。法律上は2週間前までに申し出れば退職は可能なのです。
退職までの2週間を有給取得または欠勤扱いにしてもらう
この2週間を有給取得、または欠勤扱いにしてもらうことで、実質的には即日退社することが可能です。
整理すると「退職日は2週間後で、その2週間は有給か欠勤で出社しない」ということになります。
会社がそんなに有給を取らせてくれるか心配に思われるかもしれませんが、労働基準法上、会社は有給休暇の取得を拒否できません。
第三十九条○5 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用元:労働基準法 | e-Gov
法律上、会社は有給取得時季変更はできても、拒否することはできないのです。
条件を満たしていれば、有給は誰にでもある
「うちの会社には有給がないからなぁ…」
と思ったそこのあなた!
有給は条件を満たしてさえいれば有給は誰にでも付与されています。
労働基準法では『雇入れの日から6ヶ月間勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には10 日間の有給を付与しなければならない』とあります。
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:労働基準法 | e-Gov
雇用形態にかかわらず、6ヶ月以上勤務して8割以上出勤していれば有給はあるのです。
ないなんてことはないので安心してください。
詳しい手続きはこのあと紹介していきますが、その前に疑問や不安を解決しておきましょう。
違法性ナシ、給料も問題なくもらえます
これまでみたことのない辞め方なので、この方法に違法性がないかや、迷惑はかからないのか、給料がもらえるかなど、心配になる方も多いと思います。ここではそんな不安、疑問を解消していきたいと思います。
この方法に違法性はないの?
先に紹介した通り、違法性はまったくありません。
民法に則った手続きなので、法律を違反したとして罰せられることもありません。
この辺の話はこちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
【関連記事】
>>【直撃取材】即日退職は違法?弁護士さんに相談した人から話を聞いてみた
お給料はもらえるの?
働いた分のお給料はきっちりもらえますし、有給を取得したならば有給分のお給料がもらえます。
働いた分、お給料がもらえるのは当たり前の話ですし、もし会社が支払いを拒むようなことがあれば違法です。
そんなやめ方をして迷惑がかからないか心配…
絶対に、少しも迷惑がかからないとは言えません。
ただ、迷惑のかからない退職なんてありえません。
また少し冷たい言い方にはなってしまいますが、おそらくあなたがいなくても仕事は回りますし、辞めることでかけた迷惑も長くて1〜2ヶ月、早ければ2週間ほどで大半の方は忘れてしまいます。会社とはそういうものです。
また、友人の精神科医から聞いた話だと、仕事が原因で心を病んだり、体調を崩してしまう方は圧倒的に「いい人」が多いのだそうです。
会社から長時間残業を強いられたり、ハラスメント行為をされているにも関わらず、周りや会社への迷惑を考えると、辞めるとは言い出せない…。そんな優しい方ほど心を病みやすいということです。
会社からしてみれば、あなたの代わりはおそらくいます。でもあなたの人生は一度きり。変えはききません。
身を守ることと、身勝手なことは違いますし、心身の健康を害する場所から離れるのは逃げではなく「回避」です。
あなた自身をいちばん大事に考え、行動しましょう。
損害賠償を請求されたりしない?
世の中には色々な会社があるので
「突然やめるなんて何事だ!損害賠償を請求するぞ!」
なんていう、とんでもない会社がいないとも限りません。
ですが、これは大体の場合、退職をやめさせるための脅しです。本当に損害賠償を請求される可能性はゼロではありませんが、限りなくゼロに近いでしょう。
というのも、損害賠償を請求するメリットが企業側には少なすぎるからです。
訴訟には多大な時間や手間、そしてコストがかかります。仮に賠償金を回収できたとしても、その全てをまかなえるとは思えません。
また訴訟となれば、会社はあなたが退職することと会社の損失の因果関係を証明しなければなりません。
あなたがしている仕事がよほど大きなものでない限り、証明は難しいでしょう。
もしハラスメント行為や長時間に及ぶ残業があった場合は、逆に企業側が不利になります。
先ほども申した通り、損害賠償という言葉を使って脅し、退職をやめさせようとしている場合がほとんどです。
もしこのような状況になった時は毅然とした態度で対応しましょう。
あまりにも酷い脅しにあった場合は労働基準監督署や、国が設立した司法支援センター法テラスに相談しましょう。
とはいえ、このような無用な揉め事になるリスクは事前に潰しておくことが大切です。
次に紹介するリストの通りやれば、揉め事やトラブルになる可能性は最小限にできます。
一緒に確認しましょう。
この通りやればOK!会社を実質『即日退職』するための5ステップ
ではここからは即日退職する方法を5ステップに分けて説明していきます。
この5ステップです。
- 退職の準備をしておく
- 【省略可】上司に即日退職を相談してみる
- 退職届を提出し、有給取得(または欠勤)も申請
- 返却すべきものを返却する
- 会社からの返却物や書類を受け取り、確認
ステップ2については書いた通り、ムリなら飛ばしていただいて構いません。
では詳しく説明していきます。
と、ちょっとその前に。
もしこの5つのステップを見て、
「あの会社が、すんなり応じるはずがない…自分でやるのはムリそうだ」
「もう一切関わりたくない…」
と思われた方もいらっしゃるはずです。
実は、これらの手続きをあなたの代わりに全て代行してくれるサービスもあります。
この章の後半で説明しますが、すぐに読みたい方はコチラから見てみてください。
STEP1:退職の準備をしておく
まずはスムーズにことを運び、無用なトラブルを避けるためにしっかり退職の準備をしておきましょう。
準備しておくのは
- 退職届と有給取得(または欠勤)申請
- 引き継ぎ書
- これから先の予行演習
の3つ。
それぞれ詳しく紹介していきます。
準備①:退職届と有給取得(または欠勤)申請の準備
退職届は退職に必要な書類です。ここに有給取得、または欠勤扱いにしてほしい旨も書いておきましょう。
注意して欲しいのが退職"願"ではなく退職"届"だということ。
退職届は「退職」を「通達」するものです。先にも紹介したとおり法律上は、退職日の2週間前までにその意思を伝えれば、退職することができます。会社に拒否することはできません。
一方の退職願は「退職」を「願い出る」もの。強制力がないので会社に拒否されればすればそれまでです。
提出するのは退職 ”届” です。間違えないように注意しましょう。
参考画像と、例文を紹介しておきます。
退職届
私儀、
このたび、一身上の都合により、勝手ながら
二〇●●年●月●日をもって退職させていたします。
また、二〇●●年●月●日より二〇●●年●月●日迄の、土日祝を除く●●日間の有給休暇の消化を申請させていただきますので、ご了承お願いいたします。
二〇XX年XX月XX日
〇〇部 ハタホン 太郎 印
株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇殿
退職理由は基本的には例文のとおり、一身上の都合で大丈夫です。有給または欠勤扱いにして欲しい旨も忘れずに書いておきます。
欠勤扱いにして欲しいときは
としておきましょう。
あとは3つ折りにして、「退職届」と書いた無地の白い封筒にいれておけばOKです。
提出のときに内容のコピーをとる必要があるので、封をするのはもう少し先にしておきましょう。
詳しい提出方法はこのあと紹介していきます。
準備②:引き継ぎ書の準備
退職届とともに準備しておきたいのが「引き継ぎ書」です。
会社から「引き継ぎしてからやめろ」「引き継ぎしに来い」と言われたり、あなたの後任者から不明点を何度も確認されることがないようにするためです。しっかり準備しておきましょう。
「引き継ぎ書」と書くとなんだか難しそうですが、業務内容を簡単にリストにしておいたり、必要な書類、データをまとめておく程度で大丈夫です。
仕事に必要なIDやパスワードなども分かるようにしておくといいでしょう。
準備③:ここから先の予行演習
退職届や引き継ぎ書の準備ができたら、ここから先の退職手続きがスムーズに進むよう、イメージトレーニングしておきましょう。
では次に進みます。
STEP2:【省略可】上司に即日退職を相談してみる
ここはムリせず飛ばしていただいても構いません。
もし信頼のおける上司がいるならば即日退職を相談し、いちど円満退社の道を探るのもありです。民法では2週間後と決まっていますが、従業員と企業、両方の合意があれば2週間を待たずにその日のうちに退職が可能です。
ですが、即日で辞めたいと思うほどに追い詰められるような会社では認められないことがほとんどでしょう。
少しでも不安に思われるならば、ムリせずこのステップは飛ばすことをオススメします。
もし相談してみて、上司に断られたり、揉めたりした場合も次のステップに進みましょう。
STEP3:退職届、有給取得(または欠勤)を提出
提出は『内容証明郵便』で
1のステップで準備した退職届を提出し、退職の意思と合わせて、退職日までの2週間を有給取得または欠勤することを通達します。
提出は内容証明郵便がオススメです。
手渡しだと強い引き留めや脅しにあったり、最悪の場合、退職届をその場で破られるようなこともあるからです(友人が実際にされたそうです)。
内容証明郵便であれば顔を合わせなくて済み、かつ受け取ったことが証明されるので「受け取っていない」なんて言われるのを防げます。万が一破棄されるようなことがあっても、会社は受け取っているのですからこちらに非が向くことがありません。
内容証明郵便の送り方はこちらのページをご覧いただければと思います。
退職届のコピーを2枚用意し、郵便局に行きましょう。
【関連リンク】※別タブで開きます
>>内容証明の差出方法等を教えてください。 - 日本郵便
ちなみにメールで退職届を提出するのも法律上の問題はありません。
ただし、万がいち通信障害で到着が遅れてしまったり、迷惑フォルダなどに入って担当者の確認が遅れたりすると「無断欠勤」となりかねません。無断欠勤は懲戒解雇の理由となってしまいますので、トラブルをさけるためにもできればメールは避けたいところです。
特別な事情がない限りは内容証明郵便で送っておきましょう。
会社から電話が来たら、毅然とした態度で対応する
送られてきた退職届を確認した会社から、電話が来る可能性も考えられます。
「退職届は受理できない」
「こんな形で退職するのは認められない」
「退職したら損害賠償を請求する」
などと、脅迫めいたことを言われる可能性もあるでしょう。
ですがその場合もご安心を。
この記事でも紹介してきたとおり、法律上は申し出の2週間後に退職が可能。退職の手続きも会社でしなければならないと決まっているわけではありません。
損害賠償も会社側にメリットが少なすぎるので、退職をやめさせるための脅しと考えるほうが自然です。毅然とした態度で、
- 法律上認められた行為であること
- 退職の意思は変わらないこと
を伝えましょう。
退職代行サービスを利用するのもひとつの手
会社から電話がきたとき、
「絶対に色々言われる…考えただけで耐えられない!」
「自分で毅然とした対応をする自信がない…」
という場合は、退職代行サービスを利用するという手もあります。
退職代行はあなたと会社の間に立ち、退職手続きを代行してくれるサービス。会社との連絡はすべて代行会社がしてくれるので、もし連絡が来てもあなたが電話に出たり、メールに返信したりする必要がなくなります。
オススメは日本退職代行協会(JRAA)から「特級認定」を受けている男の退職代行と女性の退職代行わたしNEXT。どちらも株式会社インクルという2005年創業の会社が運営するサービスです。
一般の退職代行業者は会社との交渉ができませんが、こちらは労働組合による代行なので
「退職時に有給を消化したい」
「未払いの残業代を払って欲しい」
という場合も、あなたの代わりに会社と交渉してくれます。
また、LINEで気軽に相談することも可能。
トップページのLINEマークを押すと、下の画像のように気軽に相談できます。
他の業者さんで相談するときは「電話番号」や「退職する会社名」、「問い合わせ内容」などが必要ですが、こちらは
- 名前
- 年齢
- 雇用形態
- 代行実施希望日
の4つを入力するだけでOK。
これなら「まずは相談だけ…」という場合でも気軽に連絡できます。
「電話が来ても自分で対応できる!」と自信のある方ならばいいのですが、もしそうでない場合はこのような方法も検討してみるといいでしょう。
【関連リンク】※別タブで開きます
>>男性の退職代行サービス【男の退職代行】
>>女性の退職代行サービス【わたしNEXT】
STEP4:返却すべきものを返却する
会社から貸与、支給されているものを返却しましょう。
たとえばこんなものです。
会社に返却が必要なもの
- 制服
- 社用携帯電話
- PC、タブレット
- 保険証
- 社員証
- ネームカード
返却されていないぞ!など、無用なトラブルを避けるためにも、しっかり確認・返却しましょう。
STEP5:会社からの返却物や書類を受け取り、確認
会社からの返却物や書類を受け取り、全て揃っているかを確認しましょう。
たとえばこんなものです。
会社から受け取るものの例
- 離職票
- 年金手帳
- 雇用保険被保険者証
- 健康保険資格喪失証明書
- 源泉徴収票
- 厚生年金基金加入員証
とくに離職票、雇用保険に関する書類、源泉徴収票などは転職活動にも必要です。
必ず確認しておきましょう。
お疲れ様でした!
これで退職手続きは完了です。思っていたよりも簡単だったのではないでしょうか?
このあとは少しゆっくりしながら、どのような仕事がしたいかじっくり考えてみましょう。
注意!バックレ、トンズラだけは絶対NGです
もし会社に行くのがつらくても、トンズラやバックレだけは絶対にやめましょう。
言うまでもなく、会社に連絡なしに欠勤するのは無断欠勤になります。無断欠勤は懲戒解雇される理由となりかねません。
懲戒解雇となった場合は履歴書への記入が必要で、仮に会社を辞められたとしても今後の転職活動がかなり不利になってしまいます(履歴書に記入しなかった場合は経歴詐称となります)。
懲戒解雇の他にも、会社から実家に連絡が入ったり、捜索願が出されて警察沙汰になったりと、いろいろな人を巻き込んだ大きなトラブルになってしまう可能性もあります。
私もブラック企業で働いていたので、仕事や会社が辛すぎてトンズラやバックレをしたくなる気持ちはよく分かるんです…。
でもこの記事で説明してきたとおり、法に則った方法で明日から会社に行かなくてよくなる方法はあります。会社とのやり取りが苦痛なら代行業者を使う手もあります。
ブラック企業のせいで不利益をこうむるなんて、バカバカしいです。
自分の将来に不利益となるような行動はとらないようにしましょう。
まとめ:自分自身を大事にしてください
この記事で説明してきたことをまとめておきましょう。
記事のまとめ
- 『退職届 + 有給取得or欠勤扱い』で、実質即日退職できる
- 違法性はなく、給料ももらえ、損害賠償リスクもほぼなし
- 健康を害す、心を病む状況から離れるのは逃げではなく「回避」
- 自分で会社に連絡したくな人は代行してもらう
- 心身の健康、将来を一番大事に考えた行動を
人生は一度きりです。
心や健康を害してしまうくらいなら少し迷惑をかけたとしても辞めてしまったほうが将来のためになります。
自分自身をいちばん大事にして、これからを考えていきましょう。
一刻も早く、平穏な生活が戻ることを祈っています。
はたホン編集部・ナカノがお送りしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。