「仕事を辞めたいんだけど、迷惑かけずに退職するにはどうしたらいいの?」
「上司が怖すぎ・・・辞めるって言ったら怒られそう」
「転職活動もしながら、退職の準備もちゃんとできるかな・・・」
仕事がイヤになってくると、「退職」の二文字。頭によぎりますよね。
きっといま、あなたが抜けることでチームに迷惑をかけないか、上司や同僚を怒らせないか、心配なのではないでしょうか。
かくいう筆者も、転職を2回経験した身ですが、もともと極度に気にしいな性格。
退職するまでの数ヶ月間は、非常に気の重いことの連続でした。
正直なところ、退職って会社に迷惑をかけずして辞めることなんてできないんですよね。
あなたを育ててきた上司はせっかく育てたのに・・・と心の内で思うでしょう。
あなたの引き継ぎを受ける後任者は、仕事が余計に増えたとイラつくでしょう。
新しい人員を補充するために会社の予算が削られるでしょう。
でも、あなたは次のステップに進むために、乗り越えなければなりません。
迷惑をかけるのは仕方がないんです。
大切なのは、迷惑を最小限に抑えることです。
実は、円満退職を叶えるには5ヶ月間の準備がカギ。
この記事では、最低限のマナー、退職までの道すじ、実践的なノウハウを余すことなくご紹介します。
モヤモヤっとした気持ちを解消して、前向きに進めていきましょう!
では今回のラインナップです。
知らないと無礼者! 最低限抑えておきたい退職ルール&マナー
まず、明日にでも退職の意思を吐き出しそうだったら、いったん落ち着いてください。
もしあなたがストレスで極限な状態にいたとしても、準備をせずに勢いのままに伝えてしまうのは得策ではありません。
実は筆者、色々とやっちゃってるんです(汗)
すっっっっごくお世話になった人にも、不満が爆発してしまった上司にも・・・
いいですか? 目指すのは、円満退職です。
あなたが二の舞を演じないよう、恥を忍んで筆者の”やっちまったエピソード”も紹介してまいります!
いまの会社から快く送り出してもらえて、次のステップに気持ちよく進むための、最低限知っておきたいルールとマナーをまずは抑えましょう。
退職の時期は3月がベスト!?
では一般的に、世の中の人は何月に退職しているのでしょうか?
それは、プロジェクトや年度の区切りのよい時期、つまり3月の退職が最も多いんです。次いで、12月など四半期ごとの区切りに退職する人が多いようです。
年度末はプロジェクトもひと段落がつき、会社としても人事異動で欠員を補充しやすいですよね。
言い換えれば、チームにとっても、会社にとっても、ありがたい時期であるということ。
もちろん会社によって違いはありますので、いまのあなたの仕事の状況をみて、いつが区切りがよいのかを考えてみましょう。
すでに転職先の内定をもらっている場合はこの限りではありません。転職先が内定から入社まで待ってくれる平均的な期間は2〜3ヶ月と言われています。先方と調整をしながら退職時期を見極めましょう。
㊙︎やっちまった・・・エピソードその1
伝える時期は就業規則次第!
実は、退職を伝える時期は法律で定められています。
民法第627条によると、期間の定めのない雇用については、解約の申し入れから退職まで2週間が必要とあります。
つまり、2週間前までに伝えればOKということ。
しかし、大半の会社には就業規則が定められており、「1ヶ月前までに申し出る必要がある」など具体的な期間が明記されています。
では、民法が勝つのか、就業規則が勝つのか?
実際に訴訟に発展した例もいくつもありますが、判決はケースによってバラバラなんです。
とにかく、最悪の結末にならないように、まずは必ず就業規則を確認するようにしましょう。
ちなみに相場感でいえば、最低でも退職の1〜2ヶ月前には伝えるとよいとされています。
後任への引き継ぎも予想以上に時間がかかりますので、余裕を持って会社と調整しましょう。
ちなみに、これから転職活動をする場合、退職日までどのくらいの期間を想定しておいたほうがよいでしょうか?
退職の意思を伝えるまでには、転職先の内定を獲得していたいですよね。
大手転職サイトのまとめによると、転職活動の平均的な期間は3ヶ月前後です。
とすると、転職活動開始〜退職日までは余裕を見て5ヶ月間を想定しましょう。
忙しくなってくると、いまの仕事と並行しながらの転職活動は難しくなってきます。
余裕を持ってはじめましょう。
退職の意思を最初に伝える相手は直属の上司
結論から言います。退職の意思を最初に伝えるのはあなたの直属の上司です。
「一番偉い人に伝えた方がいいんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、あなたを指導し、勤怠管理を行い、日々サポートしてくれる直属の上司は、あなたをマネジメントする役目を担っています。
もし直属の上司を飛び越えて伝えてしまうと、「部下の管理ができていない!」と、上司の顔に泥を塗るようなものです。
たとえ、退職の原因がその「直属の上司」だったとしても、組織体系を鑑み、順序を守って伝えるようにしましょう。
もちろん、同僚や後輩に先に伝えるのはNGです!
万が一、上司に漏れ伝わってしまった場合、心象が悪いだけでなく、自分の思いとは違う意図で伝わっている可能性もあります。
必ず、直属の上司に伝えるようにしましょう。
㊙︎やっちまった・・・エピソードその2
アポイントは上司に最大限の配慮を
さて、退職を切り出す前の総仕上げ。
直属の上司にどのようにアポイントを取ったらよいでしょうか。
アポイントを取るときのルールは以下の3つです。
-
- 口頭またはメールで上司の都合をこっそり伺う
- アポイントの段階では退職を匂わせない
- 業務時間内に二人きりになれる場所を確保
まずは、誰にも気づかれないように上司の都合を聞きましょう。
忙しいタイミングを避け、重い業務の合間にアポイントを入れないなど、最大限の配慮が必要です。
アポイントを取る際は、「少し打ち合わせをお願いできますか」や「お伝えしたいことがありまして・・・」という感じで伝え、直接的に退職のワードを使わないこと。
退職と聞いたら上司が身構えてしまいますし、何か策を練られてしまうかも・・・?
そして、いくら緊張する場面だと言っても、飲みの場や休憩中に話をするのは厳禁です!
「業務中に個人的な話をしてもいいの?」と思うかもしれませんが、ビジネスとして正式な話を伝えるという姿勢で挑みましょう。
場所も会議室などを抑え、上司と二人きりになれるように設定してください。
ひと言目はお詫びの気持ちが鉄則
部下の退職は、上司にとって気の重い話以外の何ものでもありません。
チームの組織体制にも、進行中のプロジェクトにも、さまざまな影響が出ることは必至です。
なかには、焦りや憤りを感じてしまう上司もいるでしょう。
伝える際の最初のステップは、上司に心の準備をさせる雰囲気づくりから。
心の底から申し訳なさそうに、お詫び口調で語り始めてください。
「お忙しい中お呼びだてしてしまって申し訳ありません。」
「目標に向かってチーム一丸となって頑張っているところ、大変心苦しいお話ではあるのですが・・・」
「今後についてまず最初に、○○さんにご報告させていただきたくお時間を頂戴しました。」
真剣な表情とトーンで話すことで、上司もただならぬ雰囲気を感じて、聞く心構えができます。
いち社会人としての大きな決断を伝える場です。
改めてですが、飲みの場や休憩中に話すことはもってのほかですよ。
退職理由はネガティブな本音NG!
退職を決意したということは、少なからず不満は溜まっているでしょう。
不満をぶつけてやりたい! そう思う人もいると思います。
しかし不満をぶつけてしまうと、反論されたり、引き止めに合ったり、譲歩されたり、退職交渉がこじれてしまうこともあります。
では、どのように退職理由を伝えればよいのでしょうか?
よく、「一身上の理由で突き通せばいい」とか「転職先は言わない」と主張する人もいます。
ですが、やはり上司としてはその胸の内を知りたいもの。
ネガティブな本音や正直すぎるのはNGですが、次のステージを応援してもらえるような伝え方だとよいでしょう。
例えば・・・
「○○さんにご指導いただいて、この仕事の面白さに気づき、▲▲や□□の知識(現会社ではできないこと)をさらに身に付けたいと思いました。」
「実は、○○の分野に興味があり、年齢的にも最後のチャンスだと思い、一生に一度の人生チャレンジしたいと思いました。」
「これまで学んできた知識と経験を生かして地元に貢献したいという思いが強く、移住することに決めました。」
やはり、上司からすればいまの仕事と次のステージが切り離されてしまうと、寂しい思いもするはずです。
これまで育ててきてくれた上司に感謝の意を込めながら伝えましょう。
㊙︎やっちまった???エピソードその3
前向きかつ断固たる決意で引き止めをブロック
退職の意思を伝えると、引き止めにあったり、嫌味を言われることもあるかもしれません。
そんなときは、もう気持ちは固まっているという姿勢を見せて隙を与えないようにしましょう。
例えば・・・
「給料あげたら考え直してくれる?」
→「私は今後の人生を考えて、新たなチャレンジをしたいと思っています。給料の問題ではありません。」
「いやいや、急だし困るよ、誰が穴を埋めてくれるの?」
→「退職日は●月ごろを考えており、引き継ぎには●ヶ月設けるつもりです。その間にきっちり仕事を整理させていただきます。」
・・・確かに、給料が上がったらちょっとココロが揺らぎますよね(笑)
でもよく考えてみてください。仮に引き止めにあって、考え直して残ったとしたら・・・
「あいつは会社を捨てようとしていた」というレッテルを貼られ居心地は最悪。
お金に目が眩む簡単なヤツだと烙印を押される。
転職先の内定を取り消して二度と内定は取れなくなるかもしれない。
ゾゾゾッとしますね。
華麗なる引退を遂げた安室奈美恵さんは「一度決めたことはやり通す」のがモットーだと言っていました。
そう、社会人に二言はなしです!断固たる決意で挑みましょう。
㊙︎やっちまった???エピソードその4
以上、ここまで最低限抑えておきたいポイントを紹介しました。
円満退職までの完全ストーリーはまだまだ序盤です。
次は、実際にスケジュールを組んでシミュレーションをしてみましょう。
円満退職までの5ヶ月シミュレーション
取り返しのきかない退職は、ナイーブなことの連続。
やみくもにスタートしてしまうと、自分の評価を下げてしまう事にもなりかねません。
全体の見通しを立て、精神的にも余裕を持って準備していきましょう。
今回のシミュレーションは、先述した退職の時期は3月がもっとも多いことを例に、3月の場合で考えてみます。
また、退職を伝えてから退職までの相場感は1〜2ヶ月、平均的な転職活動期間は3ヶ月前後なので、5ヶ月の余裕を見て、逆算して11月から転職活動をはじめるとします。
あなたも自分のパターンを想定して、チェック項目をシミュレーションしてみてください。
11月(退職4ヶ月前) 転職活動スタート!
転職活動は内定まで3ヶ月前後かかると言われている。1月中の内定を目指して、情報収集は積極的に行っておこう。もし内定が早すぎると、内定先との調整が必要になるので注意。平均的に内定〜入社までは、2〜3ヶ月の期間を設ける会社が多い。
✅会社の就業規則で退職に関する事項を確認する
✅転職エージェントへの登録を済ませる
✅求人情報など情報収集を毎日欠かさずに
✅履歴書や職務経歴書など各種書類を準備
12月(退職3ヶ月前) 転職活動本格化!
少しずつ求人の数も多くなってくる時期。一般的に、冬休みに入って時間的な余裕ができ、親戚や友人たちと会うなかで、影響されて転職を考えはじめる人が多いという。先手必勝で冬休みに入る前に、どんどん応募していこう。
✅志望企業の研究
✅志望理由や職務経歴の最終チェック
✅志望企業へのエントリー
✅面接練習(転職エージェントでフォローしてくれる場合も)
1月(退職2ヶ月前) 無事、内定! 退職意思を報告
引継ぎなどのことを考えると、余裕を持って退職の1〜2ヶ月前には伝えたい。伝える相手は直属の上司。アポイントには上司へ最大限の配慮を!心からのお詫びの意を込めつつ、前向きかつ断固たる決意で退職交渉を進めよう。
✅直属の上司へアポイントを入れる
✅退職理由は前向き&断固たる決意で!
✅内定先と入社日の調整(どのくらいまで延ばせるか)
✅後任への引継ぎなど上司と相談
2月(退職1ヶ月前) 引き継ぎの準備、周囲への挨拶
晴れて退職が決まってもここからが円満退職のための総仕上げ。残されたメンバーに迷惑をかけないために、スムーズな引き継ぎがカギ。またこの時期から、上司と相談のうえ、同僚などに少しずつ退職の報告をしていこう。
✅会社と退職の事務手続きについて確認する
✅引継ぎ書など作成する
✅有給消化を検討する
✅周囲へ退職の報告をする
✅内定先と入社の事務手続きについて確認する
3月(退職0ヶ月前) 挨拶回り&お礼の品を用意
社外の人には後任の紹介も兼ねて、1〜2週間前にはメールなどで報告をしておきたい。また、同僚たちはきっと送別会を計画してくれるはず…!? 出社最終日には感謝の意を込めてお礼の品を用意。社内へは最終日〜数日前に改めてメールを送ろう。
✅お礼の品を用意する
✅社外の人へ挨拶メールを送る
✅引継ぎや事務手続きに漏れがないか再度確認
✅出社最終日に社内にメールする
もし、内定先が決まらなかったり、退職してから転職活動をはじめるなどで、退職日から次の入社日まで期間が空く場合は、社会保険の手続きなども必要になります。
上記のシミュレーションは、在職中に転職活動を行い、内定を得てから退職する場合の一例ですのでご注意ください。
Q&A編 これも知っておきたい!退職にまつわるエトセトラ
では、最後に具体的に気になる疑問を解決します!
退職願・退職届は社内フォーマット使用が◎


参考
退職時には会社に返すものともらうものがある


●会社に返すもの 身分証明書(社員証)・社章 名刺(自分の名刺および取引先の名刺)
健康保険証
通勤定期券
貸与された文具、備品、書籍、パソコンなど
(私用のパソコンを使用していた場合はデータを返却または消去)
業務で使用した書類、制作物など
制服・印鑑など
●会社からもらうもの 雇用保険被保険者証 年金手帳
源泉徴収票
離職票(転職先がすでに決まっている場合には必要ない)
※ 離職票、源泉徴収票は退職後の発行になる。
(引用元:「転職成功マルわかりガイド:退職時の事務手続き」マイナビ転職https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/manual/step6/04 )
社内外のお世話になった方へ連絡はマスト

社外向け
後任の紹介も兼ねて1〜2週間前にはメールを送ります。進行中のプロジェクトがある場合は、後任に引き継ぐと言っても先方の担当者も不安になるものです。しっかりと引継ぎを行うことを宣言し、出社最終日までの見通しも伝えて安心させましょう。
社内向け
部署内など業務に直接関わりのある人へは上司と相談のうえ、早めに報告します。そのほか、社内全体向けへは出社最終日〜数日前に改めてメールを送ります。可能ならば今後の連絡先なども載せておくと、何かあるときに問い合わせもできるのでよいでしょう。

お礼の品は個包装のお菓子が無難。だけど・・・


業務中の差し入れや普段のお土産などでお菓子はよく回ってきますよね。普段のお菓子と差をつけるためには、メッセージ入りのお菓子がおすすめ。クスッと笑えたり、感謝の気持ちが伝わりますよ!
ご当地の食べものやお菓子退職では「地元に帰る」「結婚して新しい土地にいく」など移住する人も多いことでしょう。そのご当地で人気の逸品を贈れば、印象にも残りますし、もらった側も新天地での活躍を祈りたくなります♪
自分では買わないちょっといいビジネスグッズ特にお世話になった上司や同僚へは、自分では買わないようなちょっといいものを贈ると喜ばれます。例えば、カードフレグランス。名刺入れに忍ばせ、緊張するビジネスシーンでも香りで癒しを与えてくれますよ。
さいごに・・・
今回の記事では、最低限のマナー、退職までの道すじ、実践的なノウハウなどを紹介してきました。
モヤモヤとした気持ちは晴れましたでしょうか?
退職までの数ヶ月は、とても気を使ったりナイーブなことが続くと思います。
でも、人生を変えるにはそれなりのパワーが必要です。
あなたの決断は間違っていませんし、クサいことを言うようですが、新しい未来があなたを待っているから大丈夫ですよ。
一緒に、強い気持ちで乗り越えていきましょう。
では、最後にこんな言葉を紹介して終わりにします。
「過去には感謝を、現在には信頼を、未来には希望を」
〜ドイツ人哲学者オットー・ポルノー
山あり谷ありだったけれど、お世話になったすべての人に感謝。
いま、人生の岐路に立っている自分の判断を信じて。
これからの未来は、きっと、あなたは輝いているはず。
あなたのチャレンジを心から応援しています!